今回は、アセンディングピラミッド法について解説していきます。
セット毎に徐々に重さを上げていく方法で、目的に応じたやり方で成長が期待できます。
アセンディングセット法とも呼ばれていますので、合わせて覚えておきましょう。
- なんとなくセットをこなしている
- 計画的に重量設定をしてみたい
- 成長が停滞している
ブランクや体調不良などで調子を落とした場合などに取り入れると、自分の調子を観察しながらできるためオススメです。
きちんと活用できれば停滞期を突破するきっかけにもなります。ぜひ最後までお読みください。
- 筋トレ歴9年の会社員
- BIG3…220kg→497.5kg
- 21箇所のジム利用経験あり
アセンディングピラミッド法とはセット毎に徐々に重さを上げていく方法
アセンディングピラミッド法とは、ピラミッドセット法の前半部分のことを指します。
簡単に言うと、セット毎に徐々に重さを上げていく方法のこと。
ピラミッドセット法では、重さがピークに達した後に徐々に重さを下げていきますが、アセンディングピラミッド法はピークに達したところで終わります。
主なやり方は以下の2種類。
- 毎セット限界回数まで行う方法
- 毎セット同じ回数に揃える方法
例えば以下のような感じです。
毎セット限界回数まで行う場合
- ウォーミングアップ
- 1セット目:50kg×40回
- 2セット目:60kg×24回
- 3セット目:70kg×13回
- 4セット目:80kg×7回
- 5セット目:85kg×4回
毎セット同じ回数に揃える場合
- ウォーミングアップ
- 1セット目:80kg×5回
- 2セット目:82.5kg×5回
- 3セット目:85kg×5回
- 4セット目:87.5kg×5回
- 5セット目:90kg×5回
さらに詳しいやり方はこの後解説していきます。
アセンディングピラミッド法のメリット
アセンディングピラミッド法のメリットは以下4つです。
- ウォーミングアップを兼ねてケガ防止
- 時短になる
- 調子を確認しながら重量アップに挑戦できる
- 筋肥大&筋力アップが狙える
ウォーミングアップを兼ねてケガ防止
最初は軽い重量からウォーミングアップをするのが一般的です。
ベンチプレスでいうとバー(20kg)からが多いでしょう。
ウォーミングアップの延長として、そのままアセンディングピラミッド法に入っていけます。
フォームの確認&修正をしながら重さを上げていくため、ケガ防止としても最適。
また軽い重量から行うことで、脳がその動きの準備を始め、動作が安定していくという側面もあります。
時短になる
アームカールやダンベルフライなどのアイソレーション種目(単関節運動)では、ウォーミングアップを含めて3セット程度で終われることもあります。
例えばEZバーカールの場合。
- アップ:バー(10kg)×10回
- 1セット目:20kg×12回
- 2セット目:30kg×8回
これでは足りない場合もありますが、アップセットとメインセットで合計3セットで終了できます。
他の追い込み方法とも組み合わせれば出し切った上に時短になるため、忙しい方にはオススメです。
調子を確認しながら重量アップに挑戦できる
少しずつ重さを増やしていく方法ですが、最高重量に近づくに連れてその時の調子を確かめながら行うことができます。
「最後のセットの限界は80kgだろうな」と思って始めてみたけど、実はもう少しいけるということがあります。
そんな時はもう1セット増やしてみて、82.5kgに挑戦してみるのがオススメ。
このように、自分の調子を確認しながら行えるのも良い点です。
筋肥大&筋力アップが狙える
やり方によって、筋肥大や筋力アップが狙えます。
- 毎セット限界回数まで行う方法
- 毎セット同じ回数に揃える方法
この2つのやり方を、以下のように言い換えることができます。
- 毎セット限界回数まで行う方法→筋肥大がメイン
- 毎セット同じ回数に揃える方法→筋力アップがメイン
このように目的に沿ったやり方にアレンジすることが可能です。
アセンディングピラミッド法のデメリット
アセンディングピラミッド法のデメリットは以下2つです。
- 最初は適正重量がわかりづらい
- 時間が掛かる場合もある
最初は適正重量がわかりづらい
これは前述した筋力アップがメインのやり方で感じると思います。
つまり回数を最後まで揃えるやり方です。
始める前に以下のように計画を立てたとします。
- 1セット目:80kg×5回
- 2セット目:82.5kg×5回
- 3セット目:85kg×5回
- 4セット目:87.5kg×5回
- 5セット目:90kg×5回
いざ最終セットまで行ったら「3回しかできなかった」「あと2回ぐらい挙げれそう」などと差が生まれることがあります。
その場合、次回また適正重量を想定して仕切り直すことになります。
回数を重ねていくうちにわかるようになるため、はじめのうちは自分の記録を取るつもりでやってみましょう。
時間が掛かる場合もある
時短になるというメリットを挙げましたが、はじめのうちは逆に多く時間が掛かることもあります。
計画していた内容で最終セット時に余裕がありすぎる場合には、さらに重さを足してセット数を増やすという措置も必要になってきます。
はじめの計画からズレが大きいほど余計に時間が掛かってしまうため、取り入れる際には時間に余裕を持っておきましょう。
回数を重ねていくと適正重量がわかり、このデメリットはなくなっていきます。
アセンディングピラミッド法のやり方・注意点
アセンディングピラミッド法の具体的なやり方や注意点を説明していきます。
- ウォーミングアップを必ず行う
- 重量・回数の設定
- インターバルの設定
ウォーミングアップを必ず行う
ウォーミングアップを兼ねる方法ではありますが、扱う重量が重い人はしっかりと低い重量でのアップも行う必要があります。
例えば100kgでセットを組む人が、いきなり80kgや90kgでスタートしてしまう場合。
アップとしては不十分で、ケガのリスクも高まります。
徐々に上げていく過程で自然にアセンディングピラミッド法に移行していきましょう。
ベンチプレスでの一例を挙げておきます。
ウォーミングアップ
- 1セット目:バー(20kg)×10回
- 2セット目:40kg×10回
ここからメインセット
- 1セット目:50kg×40回
- 2セット目:60kg×24回
- 3セット目:70kg×13回
- 4セット目:80kg×7回
- 5セット目:85kg×4回
他にも、その日の最高重量を1回だけ挙げてから、メインセットとしてアセンディングピラミッド法を行うのもアリです。
同じくベンチプレスで例えるとこんな感じです。
ウォーミングアップ
- 1セット目:バー(20kg)×10回
- 2セット目:60kg×10回
- 3セット目:80kg×3回
- 4セット目:95kg×1回(その日の最高重量)
ここからメインセット
- 1セット目:80kg×5回
- 2セット目:82.5kg×5回
- 3セット目:85kg×5回
- 4セット目:87.5kg×5回
- 5セット目:90kg×5回
このようにウォーミングアップとメインセットをはっきりと分けるやり方もあります。
重量・回数の設定
重量・回数の設定は、目的によって多少考え方が異なります。
それぞれ解説していきます。
筋肥大メイン
筋肥大がメインの場合、細かい回数設定は不要です。
1セット目 | MAXの50%で12回 |
2セット目 | MAXの60%で10回 |
3セット目 | MAXの70%で8回 |
4セット目 | MAXの80%で6回 |
5セット目 | MAXの85%で4回 |
このような目安がありますが、あくまでも目安です。
重量はこれに従って始めると良いと思いますが、回数はもっとできるはずなので毎セット限界まで行っても構いません。
筋力アップがメイン
筋力アップがメインの場合は、最終セットで設定回数をギリギリ挙げられる重さに設定することがポイントです。
このやり方は、メインセットの回数を揃えるのが一般的。最終セットを行う時には疲労が溜まっている状態となります。
ベンチプレスのMAXが100kgで、1セットあたり5回を目標とする場合の例で考えます。
MAX100kgは、90kg×5回とほぼ等しい計算です。
1セット目 | 80kg×5回 |
2セット目 | 82.5kg×5回 |
3セット目 | 85kg×5回 |
4セット目 | 87.5kg×5回 |
5セット目 | 90kg×5回 |
最後のセットが挙がるか挙がらないかというギリギリの重さなら適正と考えて良いでしょう。
これはあくまでも計算上の話で、実際にやってみると全然できなかったり、余裕があったりするものです。
何度か繰り返すうちに適正重量がわかるようになるため、根気よく追究してください。
達成できたら次回は重量or回数を上げていきましょう。
達成できない場合は次回も同じメニューか、達成できそうな重量に設定し直して行なってください。
回数については、以下の【目的別】回数設定の目安を参考にしてください。
- 1~5回…筋力アップ
- 6~12回…筋肥大(8~12回が最も筋肥大効果がある)
- 13回以上…筋持久力向上(補助的なセットとして、パンプアップを目的に実施する場合あり)
最終セットで6~12回程度になるように設定すると、筋肥大効果が期待できるでしょう。
途中まで6~12回で行うセットがあり、最終セットは1~5回に設定すると、筋肥大と筋力アップのどちらも狙うことができます。
インターバルの設定
各セットの間にインターバル(休憩)を挟みますが、適当にせずしっかりと計ることをオススメします。
BIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)のようなコンパウンド種目(多関節種目)は長めのインターバルが必要です。
最低でも3分、できれば5分以上が理想。
アームカールやダンベルフライなどのアイソレーション種目(単関節運動)は1~2分程度で回復が見込めます。
ジムの混雑状況などによっては5分取ることは難しい場合もあると思いますが、できる限りで取り入れてみましょう。
またメインセットの最初のほうは重量が軽く、少なめのインターバルでも行える場合が多いため、臨機応変に行いましょう。
最大出力(筋力)を上げたい場合は5分以上のインターバルを取ることをオススメします。
対象部位に効かせるためにトレーニングギアを使用する
トレーニングをする際に、狙っている部位よりも先に疲れてくる部位があったり、うまく効かせられないことはありませんか?
トレーニングギアと呼ばれる筋トレグッズを使用することで、より狙った部位のみを鍛えることができます。
詳細はトレーニングギアをまとめたこちらの記事をご覧ください。
それぞれのトレーニングギアの使い方・効果・選び方・おすすめ商品もまとめていますので、ぜひご覧ください。
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【まとめ】目的に沿ったやり方で効率良く成長していこう!
アセンディングピラミッド法について解説してきました。
改めてポイントをおさらいしておきましょう。
- ピラミッドセット法の一部であり、アセンディングピラミッド法とも呼ばれる
- セット毎に徐々に重さを上げていく方法のこと
- 重量設定は主に2種類あり、目的に応じた重量設定で行う
- メリットはウォーミングアップを兼ねているため、時短トレーニングになる
- さらに調子を確認しながらトレーニングできるため、ケガ防止にもなる
- デメリットははじめのうちは適正重量がわからず、長く時間を費やしてしまうことがある
さまざまな鍛え方がありますのでアセンディングピラミッド法だけ行えばいいというわけではありません。
その時々によって他のやり方も組み合わせながら取り入れていきましょう。
追い込み方法の解説をまとめた記事はこちらからご覧ください。
ぜひトレーニングにお役立てください。
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